軸ずらし転職って聞き慣れない言葉かもしれませんね。
軸ずらし転職とは、転職において「職種」や「業種」という軸をずらしていく考え方です。
軸ずらし転職は、年収アップにつながる手段です。
また軸ずらし転職は、スキルアップにも有効な手段なのです。
同じ業界の同じ職種で仕事を続けていても、年収アップもスキルアップも成し遂げられない可能性があります。
軸ずらし転職は、年収アップもスキルアップのために非常に有効な考え方です。
筆者は50代で、年収1000万円の転職に2回成功しています。
40代でも、2回の転職経験があります。
厳しいと言われる40代の転職に2回成功、厳しいと言われる50代の転職に2回成功しました。
(追記です:この記事を執筆後に、50代で3回目の転職に成功しました)
4確かに厳しい40代50代の転職活動でしたが、「厳しいのがあたりまえ」と理解し、着実な転職活動をすべきだと思いました。
自身のこれまでの転職活動の中で、サイト上に「中高年向けの情報」、「実際に登録して活用した人の情報」、「転職者本人の書いたレビューや口コミ」が余りにも少ないと感じました。
筆者自身も軸ずらし転職をしてきました。
この記事では、軸ずらし転職で年収アップやスキルアップしていくコツを解説していきます。
軸ずらし転職を提唱している人
motoさんをはじめ、何名かの方が軸ずらし転職を提唱しています。
参考
moto (戸塚 俊介)さん
著書:転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
参考
村井 庸介さん
著書:ずらし転職 - ムリなく結果を残せる新天地の探し方
参考
リベラルアーツ大学の両学長
YouTubeでお金にまつわる発信をされている方です
軸ずらし転職とは
一般的に言われている軸ずらし転職とは「業界」または「職種」の片方は変えずに、もう片方のみを変える転職戦略のことです。
片足は残したまま、もう片方の足をずらすのです。
- 同じ「業界」のまま、異なる「職種」に転職する
- 同じ「職種」のまま、異なる「業界」に転職する
年収の高い業界に転職すると、年収アップが見込めます。
同じ業界のままでも、職種を変えると、年収アップが見込める場合もあります。
自分の強みに軸となる片足を残しながら、もう一方の片足を今後強くなる部分にずらしていくわけです。
例えば、小売業で人事を担当していた人が、より年収の水準が高いIT業界の人事に移ると収入が上がる可能性があります。
軸ずらし転職とは「業界」または「職種」の片方は変えずに、もう片方のみを変える転職戦略のことです。
軸ずらし転職のバリエーション
業界を変える軸ずらし転職
年収水準の高い業界と低い業界が存在します。
年収水準の低い業界
例
- 外食
- 小売
- 介護
年収水準の高い業界
例
- 金融
- 医療
- 商社
- インフラ
- コンサル
- IT
付加価値が大きく生産性が高い業界の方が、年収が高くなります。
業界を変える軸ずらし転職が一つの考え方です。
職種を変える軸ずらし転職
年収水準の高い業種と低い業種が存在します。
年収水準の低い業種
例
- 事務職
- 販売職
年収水準の高い業種
例
- 企画職
- エンジニア職
職種を変える軸ずらし転職も一つの考え方です。
40代未経験IT転
川上と川下を変える軸ずらし転職
業界の中にも、
- 川上
- 川中
- 川下
があります。
上下にずらすことで、知識・経験の応用ができ、優位性が出る場合があります。
川中にいた人が、川上に転職すると、川中の事情に精通しているので、いかに川中に売り込めばいいのか詳しい人になるわけです。
川上と川下を変える軸ずらし転職も一つの考え方です。
BtoBとBtoCの軸ずらし転職
BtoBとは?
「BtoB」とは、「Business to Business」の略称です。
企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルです。
資本の大きな“企業”を顧客としてビジネスをおこなうため、
- 受注単価が大きい
- 対企業の営業が必要
- 継続的な取引関係になることが多い
- 一度信頼を獲得すると安定した収益が見込まれる
- 関わる担当者が多い
- 購入の意思決定プロセスが複雑
というのが特徴です。
BtoBで取り扱う商品は
- 社内で使用するサービスやツール
- 完成品とは限らない
- 製造に使う原料や素材、部品の場合が多い
BtoCとは?
「BtoC」は、「Business to Consumer」の略称です。
企業が一般消費者にモノやサービスを提供するビジネスモデルです。
B2Cと表記されることもあります。
特徴は、
- BtoBと比較すると単価が低いことが多い
- いかに商品やサービスを数多く販売するかがポイント
DtoCとは?
最近では「DtoC」というビジネスモデルもあります。
これはDirect to Consumerの略です。
メーカーが小売を通さずに、自社のサイトに消費者を誘導して、消費者に直接販売する形態です。
インターネットの発達により、これからますます増えていくといわれています。
CtoCとは?
「CtoC」は「Consumer to Consumer」の略です。
これは個人が個人にモノやサービスを提供する形態です。
そのプラットフォームがビジネスとなり、メルカリなどのメガベンチャーが成長中です。
各形態から各形態への軸ずらし転職
たとえば、BtoCの経験をもとに、業界はずらさずにBtoBに転職するとします。
より最終消費者に近い立場にいた優位点を活かすことができます。
また、
BtoB→BtoC
BtoB→DtoC
BtoC→CtoC
など、それぞれ過去の経験を活かすことが可能です。
BtoBとBtoCの軸ずらし転職も一つの考え方です。
クライアントワークと自社事業の軸ずらし転職
例えば、WEBマーケティングの場合を考えましょう。
自社事業のためのWEBマーケティングの仕事があります。
また、顧客企業のためのWEBマーケティングをサービスとして提供するケースもあります。
その場合はクライアントワークになるわけです。
お客様の希望に沿って動いていくので、自由度は低くなります。
世の中の多くの仕事がクライアントワークにあたるといえるでしょう。
自社事業のためのWEBマーケティングの仕事から、クライアントワークのWEBマーケティングの仕事に転職する軸ずらし転職があります。
その反対もあります。
クライアントワークと自社事業の軸ずらし転職も一つの考え方です。
外資系企業と日本企業の軸ずらし転職
業界を変えずに、日本企業から外資系企業に転職する軸ずらし転職もあります。
反対に外資系から日本企業に転職する軸ずらし転職もあります。
外資系企業と日本企業の軸ずらし転職も一つの考え方です。
このように、軸ずらし転職の軸のずらし方は様々あります。
軸ずらし転職のメリット
年収アップが見込める
年収は「業界」と「職種」で水準というものがあります。
- 「業界」はそのままで、年収の高い「職種」へ転職する
- 「職種」はそのままで、年収の高い「業界」へ転職する
楽なわけではありません。
- 職種が変わると新たに覚えることが多い
- 職種が変わると不足するスキルを身につける必要がある
- 業界が変わるとルールや風土が変わる
片方しか変えない軸ずらし転職だから乗り越えることが可能です。
給与水準の高い業界または職種にスライドしていくことで、年収を上げることが可能です。
軸ずらし転職のメリットは年収アップが見込めることです。
自分の市場価値を知ることができる
軸ずらし転職では、業界や職種を意識することになります。
業界や職種を意識した転職活動を行うことで、自分の弱みや強みが見えてくるのです。
盛り上げっている職種や業界は、人材確保に積極的です。
市場価値を意識することになります。
軸ずらし転職を行うことによって、社内評価ではなく、市場からの評価つまり自分の市場価値を重んじるマインドになることが可能になります。
軸ずらし転職のメリットは自分の市場価値を知ることができることです。
前職を強みとすることができる
完全未経験とならないため、前職の経験が活かせます。
ずらしたことによる、
- 視点の違い
- 視野の広さ
- 客の立場の理解
などの優位性もあります。
軸ずらし転職は、自分の強みが明確になっていくため、転職後の配属希望が通りやすくなります。
軸ずらし転職のメリットは前職を強みとすることができることです。
転職に対する抵抗が薄れる
転職に関してまだまだ抵抗がある人が多くいます。
軸ずらし転職は、業界か職種の片方を固定しているので、抵抗感が薄れます。
また、軸ずらし転職は成功しやすいので、成功体験をきっかけに更に転職への抵抗が減ります。
何度か転職が必要な世の中に変わってきました。
軸ずらし転職を活用するは有効な手段です。
軸ずらし転職のメリットは転職に対する抵抗が薄れることです。
軸ずらし転職の実例
一つ実例をあげます
小売業でキャリアをスタート
ある業界の小売業の範囲で様々な職種を経験しました。
小売業にも様々な職種があり、複数経験しました。
- 販売
- 店舗運営
- 在庫コントロール
- バイイング
- マーチャンダイジング
- マーケティング
- 教育
- 財務コントロール
- 新規事業開発
- 事業運営
業界は変えずにメーカーに転職
メーカーといっても形態は様々ですが、そこは企画を自社で行い、工場は外部を使って製造し、卸売していました。
企画製造卸売の範囲で複数の職種に携わりました。
- 卸売営業
- マーチャンダイジング
- マーケティング
- 新規事業開発
軸ずらし転職が活きました。
- 業界は一緒ですので商材には精通しています。
- バイイング側から卸売する営業の立場に変わりました。
- バイイングする側の事情に精通しています。
- 小売の立場でのマーチャンダイジングに精通しています。
- メーカーのマーチャンダイジングにアドバイスが可能でした。
- 小売の立場で最終消費者と深く関わってきました。
- メーカーのマーケティングに応用が可能でした。
業界は変えずにターゲットと価格帯を変え、外資系に転職
次は、製造も行っているメーカーです。
こちらでも
軸ずらし転職が活きました。
- 国内マーケットのマーケティングがわかります。
- 国内マーケットのマーチャンダイジングがわかります。
- 国内マーケットの営業手段がわかります。
お隣の業界にずらし、製造小売に転職
次は製造も自社で行い、小売まで手掛けている企業です。
業界は少しずらして、お隣の業界というイメージです。
今までの経験の引き出しから色々取り出して働くことになりました。
ポイント
- 販売指導
- 店舗運営指導
- 新規事業開発
- マーケティング
- マーチャンダイジング
- 教育
- 在庫コントロール
- 財務コントロール
- 事業運営
更に、時代の変化によりWEBマーケティングを新たに導入。
自らWEBマーケティングのスキルを身につけることになりました。
H3業界をさらに近所の業界に変え、製造小売ECに転職
メインをWEBマーケティングとしながら、
ポイント
- マーチャンダイジング
- マーケティング
- 教育
- 在庫コントロール
- 財務コントロール
- 事業運営
など引き出しから様々取り出し働くことになりました。
この様に軸ずらし転職を活用してきました。
軸ずらし転職のコツ
キャリアプランを描く
次の転職まで意識するべきです。
世の中の大きな変化を意識するべきです。
次の転職先で、
ポイント
- 自分の経験のどこが活かせるのか?
- 自分のスキルや知識のどこが不足しているのか?
- キャッチアップは可能な範囲か?
そして、次の転職先で、
ポイント
- どんなスキルが得られるのか?
- 自分の弱みを改善できるのか?
- 身につけたスキルは次の転職でも活かすことができるか?
以上のようなことを意識するわけです。
次の企業で何が得られて、それが次のどう活かせるかを意識して軸ずらし転職をしましょう。
自分の市場価値を意識する
自分の市場価値を知ることができることがメリットであると解説したように、市場価値を意識した転職活動がコツでもあります。
企業から何を得られるかと同時に、
ポイント
- 企業にどう貢献できるか
- 企業にどう価値提供できるか
を意識しましょう。
また、今の会社で過ごす中でもスキルアップに努めましょう。
具体的には、週末を利用し学習をすることです。
週末をスキルアップに割けるかどうかが重要です。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは無料です。
軸ずらし転職のためにフル活用しましょう。
ポイント
- キャリアの相談
- 自己分析のサポート
- 転職エージェントから見た軸ずらし転職先の候補
- 非公開求人の紹介
軸ずらし転職について解説してきました。
軸ずらし転職は年収アップする上でも、キャリアの形成に置いても非常に有効な方法です。
あなたの業界や職種について振り返り、今後の転職活動に役立ててください。
転職サイト、転職エージェントに登録するところから転職活動は始まります。
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