転職活動を始めると、「ヘッドハンター」、「ヘッドハンティング」という言葉が気になります。
実は近年、「ヘッドハンター」、「ヘッドハンティング」という言葉は拡大解釈して使われるようになってきています。
私も長い人生の中で、聞いたことはある言葉でした。
転職活動をする中で、最初は違和感がありましたので「ヘッドハンターとは」について解説します。
筆者は50代で、年収1000万円の転職に2回成功しています。
40代でも、2回の転職経験があります。
(追記です:この記事を執筆後に、50代で3回目の転職に成功しました)
転職活動の過程で、「中高年向けの情報」、「実体験に基づいた情報」が余りにも少なく不安を感じました。
そんな経験を持つ筆者が、一つずつ解説します。
目次
ヘッドハンターとは?ヘッドハンティングとは?本来の意味
ヘッドハンターが携わる本来のヘッドハンティングとは?
- 欧米型の、外部で活躍している優秀な人材を自社に引き入れる人材採用
- CEOなどのトップエグゼクティブ層がターゲット
- 転職活動していない人を引き抜く手法
- 「ヘッドハンティング」イコール「エグゼクティブサーチ」
- 日本では、外資系企業がエグゼクティブ層を採用する際に利用
- 対象となる人材をそのクライアントのためだけに探して紹介
- 面談は高級ホテルのラウンジ
ですので、本来「ヘッドハンター」とは、このような「ヘッドハンティング」に携わる人です。
以前に、ヘッドハンティングされたわけではありませんが、ヘッドハンターとたまたま接点がありました。
(筆者は、本来の意味のヘッドハンターからアプローチされるような対象ではありません)
話だけでもしましょうか?と言われて、待ち合わせしたことがあります。
情報交換だけになりましたが、場所は高級ホテルのラウンジでした!
本来のヘッドハンティングは、以下のように進みます。
- 企業が経営層の人材を獲得したく、ヘッドハンティング会社に依頼
- ヘッドハンティング会社は、どのような課題を解決する人材が必要か、企業から詳細な聞き取りを行う
- ヘッドハンティング会社は、あらゆる情報源を駆使し候補者を探す
- 条件に合致した候補者が見つかったら、ヘッドハンティング会社は候補者とコンタクトを取る
- 候補者は、転職希望状態にあるとは限らない
- ヘッドハンティング会社はどのような条件なら移籍するのかという交渉を、企業の代理人として候補者と行っていく
- 候補者の転職意向の確認、条件がマッチングした場合は、ヘッドハンティング会社が求人企業に候補者を紹介
- 企業が候補者を採用するかは決まっているわけではない
- オファーを提示し、入社条件のすり合わせ
- 内定、内定後のフォロー
候補者側から登録するわけではありません。
現在所属する企業からの引き抜きとなります。
また、秘密裏に行われるものですので、「ヘッドハンティング会社」自体が表に出る体質ではありません。
本来の意味の「ヘッドハンター」とは、シークレットに動く存在です。
近年その意味が拡大解釈されるように|ヘッドハンターとは?ヘッドハンティングとは?
近年、「ヘッドハンター」「ヘッドハンティング」という言葉が拡大解釈されて使われるようになってきました。
その背景にあるのは、
- 雇用が流動化してきた
- 転職することが普通になってきた
- エグゼクティブクラス、ハイクラスの人も転職する人が出てきた
- エグゼクティブ向けの転職サービスが発展
- エグエクティブ向け転職サービスに登録する人が増
といった時代の変化です。
- 経営幹部
- 管理職
- 将来の幹部候補生
- エンジニア
をエグゼクティブ向けの転職サイト登録者の中からスカウトすることが定着。
それにもヘッドハンティングという言葉を使うようになってきたのです。
本来の意味とはかけ離れてきているのですが、
- 登録者の中からスカウトする職業を「ヘッドハンター」と呼んだほうが、かっこいい
- スカウトされる方も、「ヘッドハンターにヘッドハント」されたら気持ちがいい
ということで、徐々にそう呼ぶようになりました。
時代の変化で、言葉の使い方は、都合がいいように変化しますね。
というわけで、転職エージェントが集まっている転職サイトを見ると「ヘッドハンターがスカウトします」などと書かれているわけです。
「ヘッドハンターとは?」が拡大解釈されているのです。
また、「スカウト」という言葉も、様々な解釈で使われています。
スカウトについては、こちらの記事で解説してます。
転職サイトのスカウトは怪しい?様々なスカウトとスカウトの見分け方
「ヘッドハンターとは」「転職コンサルタント」とは等、転職業界の職種の意味を理解する
昔からの本来の意味のヘッドハンター、ヘッドハンティングの会社は今も存在します。
そこにはあなたの方からは、アプローチできません。
「エグゼクティブ・サーチ」されて、声がかかれば、接点が持てるということです。
それとは別に、エグエクティブやハイクラス向けの「転職エージェント」会社は多数存在しています。
- ハイクラス向け~ミドルクラス向けなどポジショニングがあり
- 得意とする業界があり
- 保有している案件がピンきり
- 大手の系列下、独立系など様々あり
- 人材業界の中でも、人材は流動的ですので、元リクルート、元パソナとかいろいろな人がいる
- 小さい会社もたくさんあるが、小さいから弱いわけではない
「転職エージェント」会社の中にも役割が分かれている場合もあります。
サービスにより(会社により)呼び名が色々あります。
- あなたと面談するのは「転職コンサルト」「転職アドバイザー」
- 企業から案件を預かってきて、スカウトする担当を「転職エージェント」「ヘッドハンター」
念の為解説すると「転職エージェント」は、以下のどちらの意味でも使われています。
- 『転職エージェント会社』を指す
- 『転職エージェント会社』の中の「転職エージェント」「ヘッドハンター」個人を指す
転職エージェント会社の持つ案件にも種類があります。
- 企業が特定の転職エージェント会社に依頼した案件
- 複数の転職エージェントから依頼され、企業が複数のエージェントに依頼した案件
- 所属する転職エージェント、ヘッドハンターと個人と企業の強い結びつきから依頼される案件
そういう「転職エージェント」「ヘッドハンター」沢山参加しているのが、
ヘッドハンティング型転職サイト
- ビズリーチ
- リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアガーバー)
- enミドルの転職
- dodaX(旧iX転職)
などです。
抗議の意味での「ヘッドハンター」とは、ヘッドハンティング型転職サイトと提携している転職エージェントの担当者です。
この周辺のことはこちらで説明しています。
転職成功の手順|「転職エージェント」、「転職サイト」を更に深く理解する
ヘッドハンティングされたことの意味?されたらどうなる?
ヘッドハンターからヘッドハンティングされたらどうなるかを説明します。
ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト、enミドルの転職、iX転職等におけるヘッドハンティングを想定しての説明です。
ほぼ高い確率で、企業面接に進みます。
ヘッドハンティングされた時点で、ヘッドハンターの書類選考が通っているからです。
ただし、企業に応募書類が送られた時点で、企業にはねられる場合もあります。
その場合は、ヘッドハンターの見込み違いということです。
ダイレクトリクルーティングといって、サイト上で直接企業からスカウトされた場合は、かなりの確率で面接に進みます。
ヘッドハンターからでも、企業からでも声がかかるのは嬉しいことです。
しかし問題は、自分が応募したいような企業の案件でない場合も多く、非常に悩みます。
30代のキラキラキャリアの人だと、多くのヘッドハンティング(スカウト)の中から興味あるものに絞り込めば済みます。
しかし年齢が上がると、ヘッドハンティング(スカウト)の絶対数はわずかになりますので、悩むことになります。
更に、ヘッドハンティング(スカウト)されたからと行って、面接が通るとは限りません。
一つの求人枠に対し、多くのヘッドハンティング(スカウト)が行われているかもしれません。
ヘッドハンターは、スカウトした相手を応援します。
企業に売り込んでくれます。
採用に至らなかった場合は、「折角お声掛けしたのに採用に至らず済まない」と申し訳無さそうになります。
ヘッドハンターとは、大変な仕事だと思いました。
良いヘッドハンターとは長く付き合えるかも
転職は一度きりとはかぎりません。
ヘッドハンターと長く付き合うメリットとして、次の転職のタイミングでも説明無しで案件を紹介してもらえます。
筆者の経験でもそうでした。
ヘッドハンターに何人も出会っても、そういう関係になれるのはごく僅かです。
波長があったのも、そういう関係になれた要素の一つかもしれません。
しかし、それ以上に、
- そのヘッドハンターがあなたに合いそうなタイプの案件を持っているか
- その分野が得意分野か
- そんな可能性のある企業と繋がりがあるか
がそれを左右するのだと思います。
そういうヘッドハンターには、別のヘッドハンターからの転職が決まっても、その詳細をメールで報告すべきです。
次の転職活動開始の際も、活動開始の報告とともに、何故そういう状態になったのかメールで詳細に報告すべきです。
将来、再び転職したいと考えた時に、前回話した経緯の続きを伝えるだけで、ヘッドハンターはすぐにあなたの事情や背景を理解できます。
従来の定義のヘッドハンターに加え、上記のような優秀なエージェント(ヘッドハンター)が今日は存在します。
できれば2、3人は信頼できるヘッドハンターを「確保」しておくのが理想です。
一方、ヘッドハンターとは名ばかりの方や、経験値の低い方も混在していると言うのが筆者の分析です。
数多くの転職エージェントに登録し、ヘッドハンターと出会いましょう。
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