転職経験があっても、転職入社前は緊張します。
中高年になってからの転職でも 緊張しました。
経営人材として採用された転職先で、失敗はしたくないですよね。
筆者は落ち度が無いよう、念の為「転職出社初日の過ごし方」などで検索し、色々なサイトを見ました。
筆者は何回か転職経験がありますので、鵜呑みにはしませんでした。
- 余裕を持って出勤しましょう
- 挨拶・自己紹介の例文
- 身だしなみは清潔感を
- お昼は一緒にと積極的に話しかけましょう
- 初日で辞めたくなったら
このような内容が多いのですが、こういった中には、
注意
- それって、若い人だけの話
- それって、入社後に部下がいない人の話
- 中途採用といっても幹部として入社場合は違う
- 中高年、エグゼクティブ転職者がこれを参考にしたらまずい
というものが多くありました。
何回か幹部として中高年で転職すると、いくつかの留意事項が見えてくるものです。
筆者の経験に基づいて、一つずつ解説していきます。
筆者は50代で、年収1000万円の転職に2回成功しています。
40代でも、2回の転職経験があります。
(追記:実はこの記事を執筆後に50代で3回目の転職に成功しました)
転職活動の過程で、「中高年向けの情報」、「実体験に基づいた情報」が余りにも少なく不安を感じました。
そんな経験を持つ筆者が、一つずつ解説します。
目次
転職初日の失敗を防ぐには、事前準備を綿密に
ハイクラス転職なら初日以降の失敗を回避するため「課題に対する仮説構築」を事前に整理
面接前に、企業研究などは済んでいますね。
更に、転職入社前に課題に対する仮説構築しておきます。
面接時に得られた情報も加え、整理しておくことが大切です。
- 業界、競合、時代の変化等を研究
- 面接の時に得た情報も踏まえ、もう一度分析
- 転職入社後、自身が取り組むべき、その事業の課題を設定
- 転職入社前なので、得られる情報は限られるので、あくまでも仮説
- 転職初日以降、得た情報やデータに基づき、当然修正変更
課題に対する仮説を事前に立てておくべきなのです。
課題に対する仮説があることにより、転職入社後に集める情報やデータが見える状態で入社することができます。
転職入社後の服装を準備して初日の初歩的な失敗を回避
見かけで印象が決まりますので、重要です。
中高年には、実は非常に大切な点です。
解説するサイトは見当たりませんので、丁寧に説明します。
面接訪問時に、その企業の様子を可能な限り見ておきます。
ポイント
- 社員の年齢層
- 社員の服装
- 社員の足元
それにより、「あなたが自身を演出する前提」を掴んでおきます。
転職初日前に、傾向を掴んでおかないと、間に合いません。
「部下となる人達にとって適切であろうボスのイメージ」を想定し、服を準備します。
近年、急速にドレスコードが変化しています。
- スーツだけどノータイ
- スーツでなく、ジャケパン
- ジャケパンどころか、カジュアルセットアップ
- カジュアルセットアップどころか、完全なカジュアル
筆者はレベル1からレベル4の会社に転職したことがあります。
会社によって、このレベルが甚だしく異なります。
この流れは加速しそうです。
部下から見た「イメージ」どれだけ想定できるかも、エグゼクティブの条件です。
自分の慣れ親しんだ常識は捨てるべきです。
- スーツよりジャケパンの方が、高度な感性が必要です
- ジャケパンより、カジュアルセットアップの方が安価ですが、中高年には更に高度な感性が必要です
- 若者と同じシルエットのものを選択すると大変なことになります
- インナーのTシャツの選択も微妙に大変です
- 自身のない人は、セレクトショップなど、相談してもらえるところで購入したほうが良いかも
- 普段着カジュアルはもっと高度な感性が必要ですが、着心地がよく通勤が快適
- レベル上位の会社に転職するのが嫌になります
靴もレベルによりそれぞれコーディネイトが必要です。
スーツに履く革靴と、ジャケパンに履く革靴は異なります。
間違えるとがっかりエグゼクティブになります。
スニーカーでも色々あります。
カバンも、靴も、靴下もレベルによって違います。
おじさんでもアップルウオッチでないと変なIT寄りの会社もありました。
転職初日以降、服装を徐々に変化させる作戦を取ったこともあります。
- 自分のスタイルは捨て、環境に合わせることは芸能人でなくても必要です。
- 転職しているエグゼクティブは若々しいものです。
月曜初出社で、社内の雰囲気を理解して服装を変えたくても、週末まで買い物に行くことができません。
初日は堅い格好で良いとしても、翌日以降が問題です。
事前に予測して買い足しておくと、出社二日目以降は会社に馴染んだ服装になります。
40代50代のハイクラス転職では、そこまで気を使いましょう。
自己紹介の事前準備を入念にして転職初日の失敗をしないように
自己紹介は「普通」に終わることもあります。
それなりのポジションの場合は、自己紹介がそのまま所信表明演説にならざるを得ない場合もあります。
筆者は、それに備え念入りに準備しました。
上の章で仮説化した「自身が取り組むべき、その事業の課題」に基づき、ストーリー化。
原稿を書き、スピーチの練習をしておきます。
大企業のTOPとして引き抜かれた超エグゼクティブもそうしているのだろうな。(と思いながら練習)
若い転職者の自己紹介と全く違うのです。
- 「頑張りますのでよろしくおねがいします」ではありません。
- 「私が入って、こうしていくので、皆さんの将来が明るくなります」です。
転職出社初日の朝から失敗しないためのチェックリスト
転職初日の心構え
入社初日、不安は当然あるけれど、こう考えます。
- 平穏に済むことはありません
- そのつもりなのでかえって平静・冷静
- 「鬼ヶ島に行く途中」だと思ってください
- だって大なり小なり、改善とか、変革とか、改革に行くのです
- それができないと、必要ない採用です
- 部下よりあなたの方の年収が上です
- そのことは、部下にバレバレです
- そういうわけのわからない人が、外から入ってくるのです
- 歓迎してくれる人もいるし、反発する人も必ずいます
出社初日|朝の挨拶
当然ですが、初日は早めに着いて、近くの喫茶店で時間調整し出社しています。
まだ顔合わせ前でも、一人ひとりに挨拶しましょう。
笑顔で、やや大きめの声で挨拶しましょう。
最初は総務の事務手続きや支給物の受領で、部下全員に合うのはそのあとになるケースもあります。
初日だけでなく、ずっと笑顔で、やや大きめの声で挨拶しましょう。
自己紹介は練習済
自己紹介については事前に練習しています。
一人ひとり、部下の目を見て話します。
筆者の場合、自己紹介がそのまま所信表明演説となる場合も実際にありました。
練習しておいて良かったな。
40代50代になるとスピーチや社内社外でのプレゼンなども含め、何かと多くの人の前で話すことが重要になりますね。
転職初日|さん付け
様々な会社の経験で、「社内ではさん付けすべき」と言う結論に至りました。
初日からそう決めて掛からないと、後から変えにくくなります。
「重々しい継承をつけて呼ぶのが伝統」の会社で経験した例です。
- 古い体質の会社
- 筆者はある部門の長として転職入社
- 上下関係の礼儀が異様に厳しい
- メールの宛先が、〇〇本部長殿
- メールの冒頭が、「大変お世話になっております」
- メールの文章が長く仰々しい
- セクショナリズムが強い
- 部門間対立が激しい
こんな状況でしたので、入社後は、
- 当然、部下は私のことを「〇〇本部長」と呼ぶ
- 翌日朝礼を開き、部下全員にこれからは「〇〇さん」と呼ぶように指示
- 部門内では全員お互いに、なるべく「さん付け」で呼ぶように指示
- 本部事務所内にいない現場の部下にも「さん付け」で呼ぶよう会議の時に伝える
- 本部長←部長←課長←現場長←現場の人の組織図は変わらない
- ということは、「現場の人」も、本部長を〇〇さんと呼ぶルールに
- それはその会社では、これまでの常識では「無礼者」
- 最初は反発する人もあり
- さん付けで筆者のことを呼ぶのを恥ずかしがる人もあり
- 徐々に慣れる
- いつの前か、会議がスムーズに
- いつの間にか現場長からくるメールが「〇〇さん」
- いつの間にか現場の人が意見を言うように
- 他部門にも私に対しては「さん付け」をお願い
- 対立していた部門長と私がお互いさん付けで呼ぶように
- 部門横断会議でも、経営会議でもお互いさん付けで呼ぶのになれる
- お互いさん付けで呼ぶのが、彼の部下と私の部下や他の部門長たちの耳になんども入ることになる
- いつの間にか、何十年も続いてきたという部門間対立が解消
PC受け取り後の設定作業|転職初日以降に迅速に行い失敗を回避
一日では終わりませんが、各種設定があります。
基本的な設定は、システム部門などで終わっています。
しかし、あなた自身でしなければならないことが年々増えています。
- 自分で追加するもの
- 追加は済んでいても設定が必要なもの
- 理解するのに時間を要するもの
- とりあえず確認だけはしておくもの
書き出してみると、多岐にわたります。
会社によって異なります。
エグゼクティブ職でも自身が使えないと困る世の中になってきました。
一般的に必要なのを思い浮かべてみると
- メルアド、アカウントの確認
- 自身が使い慣れたブラウザの追加と同期
- 社内システム、基幹システムの確認と理解
- パスワード一覧表の作成
- プリンターの設定と理解
- Wi-Fi設定
- サーバーの確認
- VPN設定
- オフィスの確認
- ジョブカン勤怠管理システムの設定と確認と理解
- セコムなどの安否確認システムの設定と確認
- 楽楽精算など精算システムの設定と確認と理解
- サイボウズなどのグループウェアの設定と確認と理解
- Chatworkなどの ビジネスチャットの設定と確認と理解
- Backlogなどのプロジェクト管理システム
色々使っています。これら以外に、
- 業種業界特有のシステムやサービス
- 職種特有のシステムやサービス
が加わります。
今まで、ITシステムやサービスを余り使わない会社から転職した人は、びっくりするかも知れません。
小さい企業から規模が多い企業に来た場合もそういう自体に遭遇することがありえます。
逆に大企業にいて、自身はタッチしなくても、部下が代わりにやってくれた体質だったケースもあります。
中堅企業中小企業の幹部に転職した場合、自身が手を動かせないと仕事にならない自体になるかも知れません。
わからないことは質問してもかまいませんが、この内80%くらいは聞かずに自分でできないと、「迷惑な中高年」になります。
筆者は早朝に出社して格闘して、わからないことだけ書き出しておいて、質問しました。
そういう態度もあり、システム部長と仲良くなりました。
初日に「座席表作成」で、名前が覚えられない失敗を回避
部下の名前を覚えるのは必須ですので、デスクの配置を描き、その人が座っている位置に名前と役割を書き入れていきましょう。
これは、「紙に書く」か「プリントアウトして」、デスクの目立つ場所に置きます。
瞬時に見ることができる状態にしておきます。
もう一枚用意して、会議で名前が思い出せない時用に、手帳に忍ばせてください。
完全に、名前を覚えることができたら紙は破棄できます。
部下が多い場合は、苦労します。
他部署への挨拶はなるべく転職出社初日にすませ失敗回避
偉い人順に、組織図を見ながら挨拶に行きます。
後々の人間関係構築にも響く、大切なプロセスです。
出社初日に責任者クラスが不在の場合は、必ず後日挨拶に行き、漏れがないようにします。
転職初日からの引き継ぎも想定しておき失敗回避
引き継ぎがある場合は、退職者がいて、そのポストに入るわけです。
ハイクラス転職の場合はたまにあります。
やめる方から引き継ぐわけです。
よって、かなり微妙な感じになることもあります。
また、引き継ぎがなく、ぽんと放り込まれることもあります。
どちらのケースも筆者の体験です。
ぽんと放り込まれる場合は、放置プレーです。
その場合は、初対面の部下を一人ひとり呼び、面談(インタビュー)を繰り返しながら、様々な状況をサーチしていきます。
両方のケースを事前に想定しておき、初日以降どうなるのかを察知することで、人間関係の失敗を回避します。
ランチタイム|転職初日のお昼で失敗しないように
転職初日、初日以降、お昼は誰かを誘うべきでしょうか。
お昼は、一人で食べに行くのが基本です。
もし、部下とお昼に行くなら、
- 部下の中でも職位が上の人から一緒に食べに行く
- 全員、均等に一緒に食べに行く
- 部長が直接の部下なら、部長全員と順番に一緒に食べに行く
- 部長全員と均等に一緒に食べに行く
- A部長→B部長→C部長→D部長→A部長→B部長→C部長→D部長→
- 課長と行く場合も同様に
だから、部下とお昼に行く場合は大変です。
課長と行く場合は、課長は部長の部下です。
全部長と全課長がいる前で、「順番に課長とも昼に行くから」とオフィシャルに宣言をしておくことが必要です。
このケースだと、課長はあなたの直接の部下でないことにかなり気を使うべきです。
長らく同じ会社にいた場合は、なんとなく出来上がってきた自分の習慣をリセットすることが必要です。
新しく入ってきた上司が、A部長とお昼に行けば、B部長C部長は、不安になるかも知れません。
そんな小さいことが発端で、新しく外から入ってきたあなたの印象が左右されるのです。
ある課長とお昼に行けば、その上司の部長は、悪口をいわれないか気にする可能性があります。
小さいことですが、こういうことまで気を回すべきです。
ランチタイムは休憩時間ですが、休憩時間だからといって気を抜いてはいけません。
何かの事情で、部下の誰かとお昼にいく自体になったら、アフターフォローしましょう。
転職初日の残業
1時間位はかまいません。
完全にケースバイケースです。
基本的な考え方としては、残業体質はよくありません。
- 生産性が下がります
- 「C部長が残業好きだから、この会社に根残業付いている」、みたいな歴史がある場合が多い
- 歴史が長いと、残業代が生活を支えている
- 会社からすると、残業代はコスト
- 故に会社は本来増やしていくべき役職給などを上げられないケースもありえる
- 残業が付かないよう、管理職にする
- 給与の総額が減るのはおかしいので、役職給を調整する
- 評価システムが崩壊する
という会社も多いのではないでしょうか。
あなたが残業すると、残業体質は助長されます。
とはいえ、入社したてのあなたが、C部長より総労働時間が短いわけに行かない場合もあります。
筆者が2社で実際に取った対策は、
- 残業は、1~2時間に抑え、率先して帰る
- 朝は、始業の3時間前に来て集中して仕事する
です。
その2社は、任務がハイレベルでしたので、休日もほとんど自宅でPCに向かうか、普段できない「現場まわり」でしたが…。
いかがでしたでしょうか。
事前に想定し、準備しておくことで失敗が回避できます。
もし、あなたがこれから転職を考えている場合、転職サイトや転職エージェントに登録することが必要です。
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